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2001 年度 実績報告書

学歴アイデンティティが対人感情に及ぼす影響に関する社会心理学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610128
研究機関愛知教育大学

研究代表者

池上 知子  愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (90191866)

キーワード社会的アイデンティティ理論 / 外集団蔑視 / 内集団卑下 / 対人認知 / 学歴差別 / 学歴コンプレックス / 学歴主義 / ステレオタイプ
研究概要

本研究の目的は、社会的アイデンティティ理論に依拠しながら、不本意な学歴アイデンティティが他者に対する評価や感情(学歴による偏見や差別感情)の形成にいかなる影響を及ぼすかを検討することである。具体的には、学歴競争社会に生きる日本の大学生を対象に「所属大学に自己同一視できず不本意な社会的アイデンティティに甘んじている学生ほど、大学間の序列意識が強く、自大学より上位の大学の学生には過度の羨望を抱き、下位の大学の学生はことさら蔑視するという差別的態度を形成しやすい」という仮説を検証した。その際、このような心理の背景にある日本の青年の学歴社会に対する意識構造を明らかにし、日本における学歴主義の問題点を浮き彫りにすることも検討した。
本年度得た成果は以下の通りである。
1.不本意な学歴アイデンティティを有していると考えられる大学の学生を対象に他大学の学生のステレオタイプ・イメージを測定したデーターを分析したところ、当該学生は、自大学の学生を否定的に見るという内集団卑下の傾向を示すと共に、学歴アイデンティティが顕現化すると下位の大学の学生を蔑視する傾向も示した。ただし、同等ないし上位の大学の学生を蔑視することはなかった。
2.上記のような心理過程が、日本の学歴社会に対する意識や態度にどのように規定されているかを検討した。まず、学歴意識尺度を作成し、信頼性と妥当性を吟味した。また、因子構造を検討したところ、学歴社会に対する態度は、学歴主義の合理性、不合理性、持続性に関する信念から構成されていることがわかった。そして、学歴主義の合理性を信じている者ほど、同等大学の学生に対する感情が好意的でなくなり、学歴主義の合理性と持続性を信じている者ほど上位大学の学生に対する羨望が強くなることが明らかになった。
なお、1.と2.で得た知見を、次年度は、事例情報に基づく印象形成実験を行い確認する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Ikegami, Tomoko: "Effects of the temporary activated academic identity on retrieval and evaluation of stereotypical information about ingroup and outgroup members"The Bulletin of Aichi University of Education (Educational Science). 51(in press). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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