平成14年度は、主に二つの初潮に関わる調査研究を実施、遂行した。 1.思春期における女子性成熟と発達心理に関する全国調査の研究 平成14年2月に無作為抽出済みの全国47都道府県の各市部・郡部94地域5、350校の小・中学校に調査票を発送した。2月以降4月までに1、555校の小・中学校(回収率29%)から調査票が回収された。粗集計で62000人の個人資料が収集された。主な質問内容は、性成熟の指標としての初潮の有無とその時期、この1週間の朝食の回数、昨夜から今朝にかけての就寝時間と起床時間、現在の興味・関心、性別の受容等である。これらの個人資料は現在コンピュータ入力中であり、平成15年度に各種統計解析を行う予定である。なお、初潮に関する資料は、status quo dataとしてProbit分析を行う。なお今回の学年別の既潮率は現時点で、小学校4年生(6.9%)、5年生(24.9%)、6年生(58.1%)、中学1年生(84.8%)、2年生(96.4%)、3年生(98.8%)であった。平成9年の資料と比較できる小学校5年生から中学校3年生では、中学3年生を除き既潮率が1%前後上昇しており、女子性成熟の低年齢化が依然として続行中であると推定される。 2.女子青年期における早熟型・晩熟型の研究 助産婦専門学校および医療短期大学・助産婦専攻科の女子学生、計約50人対象に初潮の時期と家庭環境およびエゴグラムの関わりを調べた調査を行なった。主な質問内容は、初潮の回顧的時期、性別の受容、幼児期の母親の就労状況、およびエゴグラム・テストである。これらの資料もコンピューター入力し、初潮の時期により、早熟型・晩熟型の分析を行う予定である。
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