研究概要 |
本研究では主に以下の研究課題を行い、女性の発達における性成熟の時期の重要性が示唆された。 1.全国調査の分析:平成14年2月に実施し、14年度中にデータベースを構築した全国47都道府県の小・中学校計1,569校、小学校4年生から中学校3年生64,290人の女子児童・生徒の資料の分析を行った。全国の推定の平均初潮年齢推定年齢)は、12歳2.0歳で5年前と変化していなかった。初めて小学校4年生の既潮率を調査したが、6.9%であり10歳前後で無視できない人数が思春期変化を示していることがわかった。また1%既潮率の推定年齢は9.28歳、99%既潮率の推定年齢は15.05歳であった。これらのことより思春期変化の時期が非常に拡大・多様化していることが示された。1987年、1992年、1997年の過去3回の同一質問である性別の受容に関して分析を行った。のべ分析人数は、270,224人である。一貫して、小学校から中学校2年生にかけて受容率が低下し、中学校3年生では上昇する傾向が見られた。中学校2年生の秋前後に、女性性の発達に関して、一種の発達的転換点が存在することがれ推測された。一方、低学年での性別受容がこの15年間で上昇する傾向が見られた。しかし、低学年での来潮者の性別受容が良くない傾向も確認された。 2.青年期における思春期開始年齢の影響の調査:看護教育の学生対象に、初潮の時期、家庭環境、月経随伴症状に関する調査を実施した。これらのデータもコンピュータ入力し早熟・晩熟型等の分析をする予定である。
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