研究概要 |
平成16年度の研究成果 1、海外における研究著作の出版:この一連の研究をまとめた筆者の単著『絵本の心理学-子どもの心を理解するたに』(2000/新曜社)が、韓日児童文学研究会の研究者により韓国においてUrikyoyuku社より、2004年9月に出版された。 2、「赤ちゃん(0.1.2歳児)と絵本」の調査研究(追跡)のまとめ:平成15年度に北海道・埼玉県・佐賀県で対象者264名に、(1)赤ちゃんと絵本の出会いの時期、(2)赤ちゃんがどのような絵本を好み、(3)読み手であるおとなはその時どのように乳幼児の発達に気づき、乳幼児理解はどのように促進されたかを中心に院生と調査を行った。その後、札幌市で15名の追跡調査を行い、(1)絵本が家族の絆を深めたケース、(2)保護者の乳幼児理解に深い影響を与えたケース、(3)乳幼児が絵本による豊かな知的・情緒的発達と人間理解を獲得したケースなどの視点から、極めて優れた質を保有する5ケースを抽出・分析し、その一部を報告書にまとめた。 3、2002年生まれの男児一名を対象に誕生以降、読み聞かせのビデ記録を収集しているが、現在14巻になり、DVD化することで教材化を試みている。この記録ビデオは大阪国際児童文学館が主催したシンポジウム「赤ちゃんと絵本」(04年/7月)、京都国際会館の講演「絵本が育てる心の世界」(04年8月)、北京で行われた「中日教師教育学術集会」(04年9月)などの研究発表の場でも公開し、言葉では伝わらない映像の迫力で大きな評価を得ている。一部を報告書にまとめた。 4、その他,新刊絵本の購入による「子どもの心を理解するための絵本データベース」(http://awaji.indigo.naruto-u.ac.jp:8080/ehon/)の更新も行った.
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