研究概要 |
首都圏の私立女子中学・高等学校一貫校4校を中心に、スクールカウンセリング・システム(SCS)の計画立案、.導入、実施、管理、評価を実践し、同時に評価ツールの開発を行った。 CAN-SCS (Comprehensive Assessment of Needs for School Counseling System,スクールカウンセリング・システム構築のための包括的ニーズ評価尺度)の保護者版(P-version)の信頼性と妥当性が検討され、目白大学人間社会学部紀要に発表された。その結果は、保護者用CAN-SCSの高い信頼性と充分な妥当性を示唆するものであった。 また、プロスペクティブにSCS導入の効果を見るために、同学校に2回目の教師用・保護者用CAN-SCSが実施された。その結果、SCS導入によって、教師及び保護者間に、SCSに対する関心が高まり、新たなるニーズが発生していることが確認された。 評価ツールの開発に関しては、本年度は、生徒用CAN-SCSの開発にその主眼が置かれた。公立・私立を含めた関東地域の小5から高3までの児童生徒約2,000名を対象に予備調査が行われ、また児童生徒期の発達ニーズの検討のため、大学2校の大学生約250名に対しても予備調査が行われた。その結果をふまえて、生徒用CAN-SCSが作成され、「スクールライフ・アンケート」と名づけられた。ここには、「仲間関係発達尺摩」、「学校ストレス尺度」、「アイデンティティ尺度」、「学級風土尺度」そしてSCSプログラムに対するニーズ尺度、スクールカウンセラーに対するニーズ尺度等が含まれ、私立中学高等学校5校並びに公立中学校3校に実施された。また、在校生徒の7割が不登校経験者である都内通信制高校サポート校に対しても同調査が2回実施され、不登校経験者の当該時期のニーズ、及び不登校が改善した現在ニーズの把握と検討が行われた。
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