1.カウンセリングの実施と記録 淑徳大学臨床心理相談センター(旧発達臨床研究センター成人心理臨床部門)の外来心理相談13事例についてのべ89回のカウンセリングを行い、記録をとるとともに、ビデオテープに収録した。 また、社会学部の実習授業の中で、大学3年生を対象とした1回相談のカウンセリングを8事例行い、ビデオ記録を行った。 2.他のカウンセラーによる相談記録の評価 上記のカウンセリング事例と、昨年度までに記録した他のカウンセリング事例のビデオ記録を、カウンセリング歴3年以内のカウンセラーに見せ、解決行動の明確化、特定の心理療法の技法の使用、クライエントの相談目標の具体化クライエントの課題の具体化カウンセラー・クライエント関係といった要因について、質的・量的な評価を行わせた。 3.今後の研究計画の作成と実行 上記の事例記録の評価は、実際の相談の何倍もの時間を要するため、まだ終了しておらず次年度も引き続いてこの評価を行わせる予定である。そして、こうして得られたデータの量的分析によって、実際のカウンセリングにおける相談効果が上記の要因によってどのように説明されるかを明らかにする。 さらに、こうした相談効果の説明要因が明確になったならば、日本全国の臨床心理士に対して、そうした要因をどのように扱って相談にあたっているかのアンケート調査を行う予定である。
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