研究課題/領域番号 |
13610215
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
平塚 良子 大分大学, 福祉社会科学研究科, 教授 (40257556)
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研究分担者 |
久保 美紀 明治学院大学, 社会学部, 助教授 (10279127)
戸塚 法子 淑徳大学, 社会学部, 教授 (60219764)
牧 洋子 大阪体育大学, 短期大学部, 教授 (60300232)
植田 寿之 同志社大学, 講師
藤田 博仁 愛知県立大学, 文学部, 講師 (30326128)
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キーワード | エコマップ / 人間と環境との関係 / 多次元・全体的・総合的把握 / 評価尺度 / デジタルとアナログ評価方式 / 実験的適用 / 評価基準塊 / 評価モデル / 評価結果分析デザイン |
研究概要 |
本研究は2年目を終えた。研究の目的は、福祉サービス利用者の生活事象を人間と環境との関係として、多次元的・全体的・総合的に把握するエコマップ(eco-map)の評価尺度の開発を行い、利用者の生活支援に資することにある。研究方法は、福祉現場のソーシャルワーカーによる評価尺度の実験的な適用により、評価尺度の妥当性、客観性、信頼性等々をはかり、安定したエコマップの評価モデルを導き出すというものである。 今年度の特徴は、(1)ソーシャルワーカーが担当した事例を扱い評価の試み、(2)評価のしやすさという面から、今年度改善した評価段階方式を0から10に見立て後に換算する方式適用の試み、(3)評価結果分析デザインの試み、である。 結果、課題は下記の通りである。 1)前年度の結果を踏まえ、評価項目に関する説明を加える改善をはかった。ただし、現場のソーシャルワーカーに活用されるには、なお、平易な説明にしていく必要がある。また一部評価項目の検討の必要も残った。 2)改善した評価段階方式(デジタル)を全体を10として位置を見立てる(アナログ)評価方式を試みた。この方式もデジタル的な反応を引き起こし評価しにくい面がでた。本研究が開発する評価尺度は、どの福祉現場にも適用できることを条件にしている。このため各評価段階を「評価基準塊」として捉え、緩やかな一定の幅をもった範囲設定が重要となった。デジタルとアナログ評価方式の組み合わせによる評価方法の開発が望ましい。 3)ソーシャルワーカー自身、担当事例のエコマップ評価により、微妙な差や変化、バイアスに気づいたりなど、評価することで事例全体をあらためて捉え直すこと(ケース分析)につながる面が見られた。 4)副次的であるが、評価結果の処理、すなわち、1事例の評価結果を分析するデザイン(案)に繋がった。この手法をとるとすれば、今回のアナログ方式では把握しにくく、デジタル方式の方が把握しやすいとわかった。
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