本年度は、北海道における「地域情報化」の試みを取り押せえることを第1の課題としてきた。具体的には、(1)自治体やNPOなどのインターネットの活用状況、(2)コミュニティーFMの開局状況とその取り組みの把握を行った。 (1)に関しては、これまで行ってきたSIP(標茶インターネットプロジェクト)に関する追跡調査を行った。SIPはプロバイダー事業を行うNPO団体である。自治体とパートナーシップにより、町民へのサービスを続けている。現在、NPO法人化を検討しており、別途収益事業も行う予定で、今後の展開をさらに注目していく。 (2)に関しては、まず全国152のコミュニテイーFMのデータ(全国コミュニテイーFM協議会資料)の分布を行い、全国的な傾向を取り押さえることを試みた(現在も継続中)。さらに、FMいるか(函館市)、FMはまなす(岩見沢市)、FM三角山(札幌市)、FMかつしか(東京)については、経営者やチーフ・ディレクターから聞き取り調査を行った。コミュニティーFMはプロ化の方向とアマチュア化の方向に二極化する傾向があり、今後は特に後者の代表であるFMはまなすとそれを支えるボランティア・グループ「オニオン合衆国」に焦点を当てて調査を進めていく予定です。 また、(2)の成果に関しては、今年度の紀要に論文をまとめる予定です。
|