東北地方における国際結婚をめぐる諸問題と外国人妻たちの社会的包摂の現状及びその特徴を明らかにするために、東北地方各県の国際交流関連部署及び諸団体から資料を収集しヒアリング調査を行い、合わせて関連課題の先進的な地域であるアメリカ合衆国ボストン市・シアトル市の公立学校や地域のコミュニティ・センターにおける多文化教育や地域支援の実態を調査した。本年度の研究概要は以下の3点である。 1.平成2年の入管法の改正を前後する外国人の入国・移動等の統計データから東北地方の統計的な特徴を全国的な動向と比較・整理。 2.最上地域及び岩泉地域におけるいわゆる「外国人花嫁」として入国している女性の生活(就業、家族、地域、言語・教育、生活問題等々)の現状把握。 3.ボストン・シアトル・シカゴ各市の「MOSOTプロジェクト」が目指す学校(含む大学)、企業・諸団体、地域のボランティア、行政の資源・役割を有効にコラボレートさせたシステムの構築は、教育問題の解決や子どもの学力向上だけでなく、労働・職業の質の向上・創出につながる労働政策にも、多文化・多民族を尊重する学習・人権の課題にも関連し、地域のエンパワーメントに資することを確認。
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