研究課題
研究代表者、分担者及び研究協力者の間で議論を進めてきたテーマ、すなわち、郊外社会において社会階層・階級、通勤、職業・就業構造、家族類型、ジェンダーによる特徴が空間的にどのように表出し、どのように変容してきたかを、中心都市からの距離との関連で仮説を構築し、検証するために、主に国勢調査から取得できる時系列的データを整理し、項目を確定した。まず、1920年〜2000年の東京圏の拡大過程を人口変動から捉え、この結果をふまえて、項目の取捨選択を行い、人口変動と関連する重要な時期を押さえることを主眼とし、高度経済成長期以前のデータで主要な項目が比較的そろっている1955年、高度経済成長期を挟んだオイルショック後の1975年、さらにバブル経済期から崩壊後までの1980、1990、2000年という主要5ヵ年と、1955年国勢調査の項目では取得できない若干の重要項目については1960年国勢調査データを、それ以降についても主要5ヵ年以外のデータを補足的に使用することにした。これらのデータのうち、電子化されていないものについては業者委託により入力を進め、チェック・修正作業を行った。また、データ形式が年度によって異なるため、データ形式の統一を図る作業を進めた。対象市区町村は旧東京都庁から60km圏とし、2000年度の市区町村に合わせて合併作業を進めているが、2000年度に合わせられない一部市区町村については、過去の行政界に遡り合併作業を進めている。入力データのチェック・修正、データ形式の統一、市区町村合併作業などの準備作業に多くの時間を要したため、本年度計画の郊外地域の類型化には至らなかったが、データが整い次第、分析を進めて類型化とヒアリング調査の準備段階としての郊外地域の選定を行う。