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2003 年度 実績報告書

近代化にともなう葬送儀礼の変化に関する国際比較

研究課題

研究課題/領域番号 13610229
研究機関専修大学

研究代表者

嶋根 克己  専修大学, 文学部, 教授 (20235633)

キーワード死の社会学 / 葬送儀礼 / 比較文化 / 葬祭業 / 死生観 / 死の追悼 / 集合的記憶
研究概要

本研究の目的は、社会の近代化が葬儀という社会現象にいかなる影響を及ぼすかについて、国際間の比較を踏まえて実証的に研究しようとするものである。
これまで、第一年度にはアメリカ合衆国、フランスなどの先進社会における葬儀の実態について葬儀事例を収集し、葬儀業者への聞き取りをおこなってきた。第二年度には、近代化が始まったばかりのモンゴル社会の葬儀の実態および葬儀業の萌芽について調査を行った。第三年度の本年は、モンゴル社会研究を継続しながら、近代化が猛烈に進行しつつある中国都市部の予備調査を行った。またフランスの補充調査を実施した。さらにこれまで収集した資料の整理につとめ、来年度の報告書作成の準備に入った。
研究の具体的進行過程は次の通り。4月2〜5日モンゴル社会の第二次調査を実施した。モンゴル国立大学でのインタビュー、少数民族の葬儀様式聞取り、各地墓地見学、葬儀センターでの聞取りなど。7月から12月にかけて、これまでの資料(特に映像関係資料)のデータベース化、またアメリカ、フランスの葬儀の書起し、翻訳を行った。また中国の葬儀ハンドブックの概要を翻訳した。11月に上海市の賓儀院を見学。3月にフランス渡航の折に、最近の葬儀経験者にインタビューを行った。また昨年度に引き続き、戦没者慰霊の実態研究にも努めた。具体的には沖縄戦に関する平和祈念博物館などの実態について調査を継続している。
これまでの知見として、社会の近代化ないしは都市生活化は、葬儀様式を確実に変質させていることが各国の比較調査から明らかになってきた。家族の縮小化、地域集団関係の希薄化、労働組織の変質などは葬儀出席者の帰属集団を変えると同時に、葬送儀礼を維持するために葬儀サービスの外部化と葬儀業者の出現をもたらすことになる。また葬儀の近代化は、同時に葬儀の世俗化をもたらしていることはほぼ間違いなかろう。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 嶋根 克己: "社会的な死へのアプローチ:アブレ労働者の生活体験の事例から"現文研. 79. 2-19 (2003)

  • [文献書誌] 佐々木交賢, P.アンサール, 浜口晴彦, 中野秀一郎, 嶋根克己他: "高齢社会と生活の質"専修大学出版局. 219 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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