本研究の調査概要 ・対象者:スクリーニング調査で把握した要介護高齢者とその家族595人のうち、回答が可能であった高齢者本人。完了数344。 ・調査方法:訪問面接調査 ・調査実施時期:2002年4?5月 結果のまとめ ・事業者評価については、利用者の介護保険に対する全体満足度、ケアマネジャーに対する評価、各サービスに対する評価などの変数を軸として評価を行ったが、概ね肯定的な結果が得られた。特に、全体満足度については、70%近い人が満足しており、他の地方自治体の満足度調査の結果と同様、満足度が高いという結果となった。 ・サービス提供事業者については、事業者を社会福祉法人、その他の公益法人、医療法人、株式会社、有限会社、NPO法人・生協の6つに分類して分析を行った。本調査を通して明らかになったことは、ケアマネジャーをはじめ、ホームヘルプサービス、デイサービス、ショートスティサービスなど、各サービスによって提供する主要事業者のタイプが大きく異なるということであった。 ・事業者別に利用者の介護度の差をみたが、介護度にはほとんど違いがみられなかった。その一方で、サービス提供量は株式会社や有限会社などの民間企業の方が他の法人系の事業者と比べて多いという傾向がみられた。 ・ケアマネジャーの対応、サービス情報の提供、アフターケア、お世話の内容など、ソフト面での評価は全体的に高かった。一方、送迎や費用、サービス提供回数など、介護保険制度という制度上の運営と密接に関連する側面については、課題が残される。
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