本年は、次年度の本調査に備えて日本の代表的な大都市近郊ニュータウンの概要についての基礎的調査を行った。関西圏での香里ニュータウン、千里ニュータウン及び西神ニュータウンについて、首都圏においては、港北ニュータウン及び多摩ニュータウンについての現地での調査を実施した。 建築年代の古い近郊ニュータウンでは、建物の老朽化が進み、改築が進んでいる。一方建築年代が新しいものは、現在も建築が進行中であるが、バブル崩壊後、住宅ニーズの変化がみられ、民間の高層マンションの低価格化が進んでいる。 団塊の世代を中心とする居住者の多いニュータウンでは、世代の中高年化が進行するとともに、老親の地方からの呼び寄せに関する問題点が起きている。居住歴の短い高齢者の新しい居住地における新しいコミュニティの創造や老親介護サポートが近郊型ニュータウンにおける課題となっている。本調査では、以上のような問題意識から、研究・調査を進める予定である。
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