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2002 年度 実績報告書

「情報コミュニティ」形成プロセスの研究:都市と山村をネットワークで結ぶ

研究課題

研究課題/領域番号 13610255
研究機関甲南女子大学

研究代表者

原田 隆司  甲南女子大学, 人間科学部, 助教授 (60189701)

研究分担者 橋本 満  甲南女子大学, 人間科学部, 教授 (50110763)
佐伯 勇  甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (40283832)
寺岡 伸悟  甲南女子大学, 人間科学部, 助教授 (90261239)
キーワードコミュニティ / インターネット / 情報ネットワーク / 岡本 / 神戸
研究概要

神戸市東灘区岡本地区をフィールドとして行なった電子ネットワーク実験では、次の2点が明らかになった。
(1)実験の前後で、岡本地区についての参加者の認知度は高まった。これは実験前後に参加者に記述してもらったメンタルマップの比較によって明らかになった。範域認識は拡大し、範囲内の店、道路などの認識箇所も、ほとんどの参加者で増加した。
(2)電子ネットワーク上で流れる情報が地域認識を高めたことは明らかだが、最も早く多くの参加者に流れたデータは、参加者の多くが知る具体的な人物についての、事実に反する内容のものであった。つまり、短期的には、地域への関心を高める契機としての情報は、真偽ではなく、具体性がある、すなわち好奇心を直接的にひく情報が、結果として地域への関心を引くということである。
要するに、岡本地区における情報伝搬と地域認識に関する実験、および、奈良県吉野地区と神戸市東灘区でのweb情報認知についての検討から得られた知見は、高度情報メディアが導入されたからといって、従来の地域範域を越えたバーチャルな情報コミュニティが形成されるということはないということである。
しかしながら、今回の研究の知見が示すのは、このような試みが無意味だということではなく、地理的地域性が異なる地域から発信された情報であることが、「地元」が発信する情報よりも、客観性や信愚性という点で高く評価されるということである。つまり、インターネットによるバーチャルなネットワークを、無限定的な拡がりのなかでのコミュニティ形成と考えるのではな<、特定地域間でのリアルなネットワークを基盤として、双方の情報をネットワーク上に発信するというかたちが、高度情報メディアを用いて、脱地域性と信頼という両立させがたい要素を同時に獲得する方法であるといえる。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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