研究課題/領域番号 |
13610262
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研究機関 | 中部学院大学 |
研究代表者 |
後藤 真澄 中部学院大学, 人間福祉学部, 助教授 (70301710)
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研究分担者 |
若松 利昭 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (90158593)
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キーワード | 介護保険 / 要介護認定 / 介護システム / 在宅支援システム / 介護保険システム / 入所規定要因 / 介護支援専門員 / ケアマネジメント |
研究概要 |
研究実績報告 1 本年度の目標:本年度の研究目標の第一は、要介護認定者の施設志向の機構と過程を明らかにすることであり、第二は、在宅、および、施設での支援活動をどのように編成するかである。 2 研究方法:高齢者の心身状況と介護者の状況が、施設志向に与える影響を分析した。方法は、介護保険の単位である市町村を限定し、要介護者全員を対象とする。心身の状況が入所に与える影響は、要介護者を要介護度、入所・在宅に区分し、要介護認定の認定項目の自立率を手がかりとして分析を行った。 3 結果:入所志向を示す心身の障害のクリティカルポイントが明らかになった。第一は、入所のクリティカルポイントは、要介護度に対応して、生活障害、IADLの障害、ADLの障害、排泄、痴呆となっていることである。第二は、痴呆における問題行動は直接的な入所のクリティカルポイントにはならず、これまでの在宅での介護の集積の上で問題行動が発生した場合に強力な施設志向が発生することである。特に、感情的な問題、暴力、俳徊などがクリティカルな出来事となることが示された。介護力との関係では、独居、高齢者世帯の場合、些細な問題の発生が入所を志向させていることが示された。 4 結論:在宅福祉、地域福祉が喧伝される中で、また、自立のための支援という仮想現実の中で、家族の介護負担が過重となっている。この過重さが、施設への入所の待ち行列の長大化、ショートステイや在宅から切り離しをする在宅支援によって、高齢者の生活場所の流動が発生していることが明らかとなった。 5 来年度の課題:第一は、入院を射程に入れて、地域の中での生活場所の流動の状況を明らかにすること、第二は、施設、在宅での支援内容と時間管理についての検討を行う。
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