1.本年度は国内の数校の学校訪問調査とアメリカの全米初等学校長協会、中等学校長協会、連邦教育省における全米政策に関連する聴き取り調査、およびケンタッキー州における州教育省および学校における聞き取り事例調査を実施した。 2.国内の学校訪間調査では、学校の自主性・自律性の拡大施策の実施を受けて、とくにカリキュラム開発に関連した校内研究の活性化と、そこにおける保護者の参画の事例を確かめ、教員集団を中心的アクターとする学校改善の過程をたどった。また、別の事例では、学校のアカウンタビリティを重視して保護者・地域に情報公開を図りながら連携を強化して学校改善に取り組む姿を明らかにすることができた。さらに別の事例では、学校評議員制の導入を契機として保護者・地域住民による学校評価を実施することによって学校改善を進めていた。 3.アメリカにおいては、「意思決定の共同化」に対応して校長・教員の役割機能がどのように変化しているか、そのための校長の力量形成のためのしくみにどのような改革が行われているかを実地調査した。この点については、データの整理が途上にあり、文献資料とあわせてさらに分析考察していく必要がある。 4.なお、以上の研究の途中経過については、7月にアメリカに関する考察を大塚学校経営研究会の夏季合宿研究会で報告し、12月には同研究会の月例会において国内調査に関する報告を行った。これらについては、今後、論文としてまとめるべく、準備をすすめている。
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