総合学習を経験した生徒の追跡調査研究に向けて、日本や外国において可能な限り、先行研究のデータをそして、現実の教育実践の結果についての情報を収集し、その分類・整理にあたった。特に、個性化教育を推進してきた学校の紀要や印刷物そしてポートフォリオなど、総合的学習の時間を実践してきた学校の関連資料を収集し、特に単元の構想についての記述から個性化教育に関わる実践としてどのような形があるのか、基礎資料の収集をはかった。理論的には、基礎・基本を重視する立場から総合学習カリキュラムを経験して卒業した生徒の学力をよりバランスのとれた客観的な評価の軸を設定することが可能になった。そして、教科に縛られた学力のみならず、学習における自主性、創造性、社会性などオープンスクールの基本理念に関わり、個々人の人間発達の成長の全体的な構造をモデル化できる手法としてのナラティブ・スタディの応用可能性を追求した。
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