今年度は先行研究と一次資料に関する史料調査を行った。日米両国における新教育運動の評価に関する論争と実証的評価への取り組みについて、理論的・実践的側面からその特徴を明らかにするため、日米における資料調査を平行して実施した。 国内調査は、大正新教育運動と戦後新教育に対する評価をめぐる論争に関する文献資料について、神戸・広島・名古屋・大阪・岡山を訪問して実施したほか、茨城県や愛知県における個人所蔵文書の複写による収集を行った。収集した文献は以下の3点に分類して整理し、文献リストを作成した。 1.大正期におけるアメリカの教育評価理論の紹介と変容に関する史料 2.新教育に対する政策的な弾圧の実態に関する史料 3.新教育の実践に対する教師と親による評価 海外調査は、米国マサチューセッツ州のハーバード大学教育大学院ガットマン図書館およびブリッジヲーター州立大学マクスウェル図書館、イリノイ州シカゴ大学レジェンステイン図書館を訪問し、19〜20世紀初頭の米国内における新教育の実践と評価に関する先行研究および新教育批判・学力論争に関する教育雑誌上の記事を収集するため、当時アメリカ東部で発行された教育雑誌を調査し、関係箇所の複写を行った。
|