本年度は、前年度までに収集した資料を整理、分析して、研究成果をまとめた。 まず、アメリカの新教育運動の実態とその成果について実証的に分析と評価を試みるため、アメリカ東部における新教育運動とその実践評価に関する資料について補充調査を行った。具体的には、ニューヨーク州コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジ、ミルバンク図書館およびマサチューセッツ州ハーバード大学教育大学院、ガットマン図書館所蔵の資料を調査し、関係文献の収集を行った。一方で、国内の新教育実践校についても実践の具体相を明らかにするための史料とその評価に関する文献について補充調査を行った。具体的には、明石女子師範学校付属小学校の実践に関する資料について神戸大学、京都大学、名古屋大学の各附属図書館を訪問し、関係資料の収集を遂行した。 前年度までの調査結果に上記の補充調査の結果を加えて成果を総合し、現代の教育改革とそれをめぐる論争に対して有効な実証研究の構想に寄与する見地から「最終報告書」を作成した。報告書では、アメリカのカリキュラム評価に関する実証的な研究と日本の新教育運動の4つの事例研究をとりあげて、日米における新教育運動の特徴およびそれに対する批判の動きや評価について比較した。 さらに、研究成果の一部を論文にまとめて日本教育学会機関誌編集委員会に投稿した。
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