研究課題
基盤研究(C)
初年度に収集した日米の新教育運動と学力論争に関する先行研究の分析から、このテーマにおける日米の比較史的研究はほとんどないことが判明した。そこで、本研究においては、アメリカの新教育期におけるカリキュラム評価の研究動向に詳しいアメリカカリキュラム史の研究者に協力を求め、最新の研究成果を取り入れつつ議論を重ねることで、日本の新教育運動との関連や相違について理解を深めた。一方、日本の新教育運動については、明石女子師範学校における及川平治による分団式動的教育法、奈良女子師範学校におけるプロジェクトメソッドおよび合科学習、成城小学校を中心に全国的に普及したドルトンプラン、などの実践事例を取り上げて、それぞれの事例ごとにアメリカの教育理論の導入と日本の教育実践との関係を明らかにすることを試みた。また、戦後新教育に関してはその実践に深く関わる人的資源、すなわち新教育を実践できる教師の力量形成過程に注目して、特に占領期における教員養成カリキュラムの成立過程を明らかにした。この研究成果については、平成14〜15年度に学会発表をし、学会誌への投稿論文が掲載されたので、報告書からは割愛した。ただし、調査・収集した「戦後学力論争に関する文献」と「学力論争に関する雑誌記事」の目録を報告書巻末に「資料」として掲載した。
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教育学研究(日本教育学会) 72巻・2号(未定)
The Journal of Educational Research Vol.72, No.2