研究課題/領域番号 |
13610284
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
粒来 香 東京大学, 社会科学研究所, 助教授 (10313355)
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研究分担者 |
米澤 彰純 大学評価・学位授与機, 構・評価研究部, 助教授 (70251428)
濱名 篤 関西国際大学, 人間学部, 教授 (90198812)
矢野 眞和 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (30016521)
吉田 香奈 山口大学, 大学教育センター, 常勤講師 (30325203)
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キーワード | 私立大学 / 学費・学費負担 / 奨学金 / 教育サービス / 保護者 / 卒業 |
研究概要 |
現在、高等教育においては大学評価が重要な意味を持ちつつあるが、本研究では家計による市場型評価に焦点をあてた。大学の教育サービスの需要者である家計は、教育内容と価値について情報を求める。わが国の大学教育費の多くは、とりわけ私立大学では親(保護者)によって負担されていることから、保護者を家計の代表者と考えることができよう。 以上をふまえ、今年度は前年度に全国6大学の協力を得て実施した質問紙調査のデータ分析を中心として研究を進めた。分析では、1)大学教育に対する満足のありかたとその規定要因、2)家計による費用負担の実態、3)大学に対する期待と教育費負担に対する考え方、の3点を明らかにすることを、主要な課題として設定した。以下の知見については、日本教育社会学会第55回大会(2003年9月20-21日)においても発表をおこなった。 1.大学教育に対する保護者の満足度は、「満足」+「やや満足」の合計で77.3%と、全体的にみて非常に高い。 2.入学時に考慮していた教育内容やサービスに対する満足度が高いだけでなく、入学時にはほとんど考慮されていなかった「同窓会組織の充実」や「卒業生の社会的活躍」などに対する満足度が大きく高まっている。入学から卒業にいたる期間に、保護者は大学の評価すべき側面を新たに発見しており、そのことが高い評価に結びついていると考えられる。 3.親子間のコミュニケーションが高いほど、また大学から提供されるさまざまな情報を利用しているほど、保護者の大学評価は高くなる傾向がある。 4.年収700万円未満の家庭では、教育費が家計の20%以上を占める比率が85%にのぼる。教育費の調達に特別な方策を要しなかった家庭は6%で、ほとんどの家庭で「教育目的以外の預貯金や蓄え」を取り崩している。 5.重い負担にもかかわらず、多くの保護者は教育費を「子どもへのプレゼント」として認識している。
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