本年度の研究においては、以下のことが判明した。 「世界の発見」科は、科学、技術のほか、歴史・地理の内容を統合しており、我が国の小学校低学年における生活科に似た性格・内容をもっている。この教科では、科学、技術のほか歴史・地理の内容を含む身近な生活環境の世界が、保育学校で学習した知識との接続において最初の総合的な入門学習の対象となっている。学年が進むにしたがって、生活環境の理解や簡単な技術的プロジェクトが学習される。そして、生活環境を操作し、観察し、比較し、分類することによって世界の現象より知識を学習し、この知識によって徐々に次の教科領域の構成区分を準備する。「世界の発見」科は、深化学習期になると、「科学・技術」科と「歴史・地理」科に分かれる。この「科学・技術」科の性格・内容は、1985年の学習指導要領の内容と継続する傾向がある。 コレージュにおける「技術」科教育の特質は、技術の諸領域の具体的内容と技術的プロセスがクロスしながらマトリックスとして交わるように、プロジェクトが設定されている点にあるといえる。そして、現実の生産過程の技術を問題解決するプロジェクトは教師主導ではあるが、教育内容において知識と技能の基本のオペレーションを含む系統的で科学的な教授が目指されている。
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