本研究の目的は、芸道における「型」の形成を検証することにある。「型」(それを構成する口承の教育あるいは口伝による伝達行為を含めて)の実態を探るに残された道は、家元クラスの教授場面の観察・分析かあるいは実際に口承・口伝による継承教育を行なっている分野でのその場面の観察・分析ということになる。 本研究では、前者を研究分担者の畑野裕子が担当(『舞踏における「型」の形成に関する一考察-日本の舞踏と諸外国の舞踏における身体技法としての「型」の比較を中心に-』)し、後者を研究代表者の安部崇慶が担当(『芸道教育と仏法伝授にみる「型」の形成-岡倉天心の芸術教育論と真言宗「四度加行」を事例として-』)した。 付記すれば、なかなか公開困難な事例(場合によっては拒否される)をこうして論文にまとめることが出来たのも関係各位(諸事情あって一々のご芳名をあげられないが)のご協力の賜物であることを強調しておきたい。
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