今年度の成果は大きく4つに分けられる。 (1)「小学校1年生問題」と教員配置・学級編制施策に関する研究 T県の「小学校1年生支援事業」の効果の検証に続く第II報として、H県の「小学1年生はばたきプラン」の効果の検証を行った。生活規律や学習習慣が身に付いていないとして近年問題となっている「小学校1年生問題」を踏まえて、小学校1年生には20人台の学級が望ましいことを教員への意識調査を通じて明らかにした。また、小学1年生ないし低学年は他の学年に比して「特別な配慮」を要する学年であるとの教員意識も判明した。 (2)「少人数指導」の実施状況に関する研究 T県を対象として、義務標準法第7次改善計画実施過程を追跡する目的で、まず初年度(2001年度)の実施状況を小学校・中学校別に明らかにした。「少人数指導」の中に「特別支援教育」対象児も含まれて成果を上げている報告も見られた。次回は実施3年度(2003年度)、さらに実施最終年度(2005年度)の実態把握を行う予定である。 (3)「特別支援教育」の進展過程に関する全国的研究 「特別支援教育」の対象の検討過程において、学習困難等を広く含んだ一般的アプローチと、診断確定したLD(学習障害)等に主対象を限定しようとする特殊的(専門的)アプローチの双方が見られることを明らかにした。また、2001年度における「学級編制基準」等を都道府県・政令市に関して実態調査した。 (4)「特別支援教育」の進展過程に関する自治体研究 地方分権下の「特別支援教育」の進展過程について、埼玉県志木市を事例に長欠・不登校児、少学校低学年・障害児等のケアを総合的に明らかにする作業を行った。
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