研究課題/領域番号 |
13610311
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
黒崎 勲 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70012573)
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研究分担者 |
深見 匡 東京都立大学, 人文学部, 助手 (00295461)
大田 直子 東京都立大学, 人文学部, 助教授 (40211792)
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キーワード | 学校選択 / 学校参加 / 公立学校制度 / コミュニティ・スクール / チャータースクール / 教育委員会 / 規制緩和 / 品川区 |
研究概要 |
新しいタイプの公立学校の提唱はもともと学校選択の理念によって公立学校制度を改革しようとするものであった。しかし、そうした文脈において政策化されたコミュニティ・スクールの構想は、その提唱者のオリジナルな発想においては、必ずしも選択の理念を追求するものではなかった。ここに新しいタイプの公立学校の立案過程の不透明性の原因があるとしたのが、本研究の第一の成果である。さらに、学校選択の理念が学校改革の触媒となるためには教育委員会のリーダーシップが不可欠であることを検証したことが本研究の第二の成果である。そうした観点から、本研究ではコミュニティ・スクールとチャータースクールという新しいタイプの公立学校の提唱とは別に、品川区教育委員会による学校選択制度を軸とした公立学校改革の意図とプロセスが、教育長のインタビューを通して分析した。ここでは、かつてイーストハーレムで観察されたものと同じ質の教育行政活動が機能していることが明らかになった。このインタビューを通して、品川区教育委員会の学校改革の試みが、教育の営みは専門家教職員の自発性に基礎をおかなければならないが、自発性にのみ依拠することは教育を専門職主義の閉鎖性と独善性のもとに放置することになりかねないという公立学校改革のジレンマに対して積極的、能動的に働きかけるものであり、その試みに半ば成功していることを検証したということも、本研究の大きな成果である。
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