研究課題/領域番号 |
13610325
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研究機関 | 平安女学院大学 |
研究代表者 |
清水 民子 平安女学院大学, 現代文化学部, 教授 (40046470)
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研究分担者 |
川北 典子 平安女学院大学, 現代文化学部, 助手
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キーワード | 保育時間 / 乳幼児 / 生活構造 / 長時間保育 / 夜間保育 / 質問紙調査 / 観察記録 / 乳幼児文化(幼児絵本) |
研究概要 |
1.保育所乳幼児生活時問調査の実施:保育所児保護者に対し、保育所をつうじて質問紙を配布し、登園前(朝)および降園後(夜)の家庭生活時間帯における子どもの生活内容、および保護者の問題意識について記入を求めた。結果として、朝は時問的ゆとりがなく、夜は比較的ゆったり過ごせるという一般通念どおりの傾向のほか、就寝時間が遅くなっても、絵本読みや遊び相手を子どもにしてやるというような親たちの親子のかかわりへの義務感の強さもうかがえる。 2.夜間保育園の保育内容調査:深夜(午前1時)までの保育を実施している保育園において、午前、午後、夜間の全時間帯を抽出し、主要な生活内容、保育内容、子どもの活動性と活動内容(遊びの種類および相互作用様式)'を参加観察により調査した。園の方針として午前の登園時間を個別家庭の生活条件に合わせて自由にしているので、午前中の主活動の枠組は強くなく、徐々に活動性を高めていく流れとなっている。午後は、午睡が設定され、年長児のみ起きて活動しているが、状況の制約もあり、活動性としては抑制されたものとなっている。一方、子どもたちの自発的活動性が高まるのは夕食前および夕食後の時間帯である。午後9時の就寝時刻に向けて入浴や読み聞かせ(絵本、紙芝居)による気分の鎮静化が試みられる。このような生活リズムの子どもの生活意識形成への影響を分析することが本研究の今後の課題である。 3.乳幼児の生活時間意識の形成における児童文化(物語・絵本)の影響:内外の幼児用絵本から「夜」についての描写を分析した。生活絵本においては、夜は「眠る」「休む」ための時間であるとの基調があるが、ファンタジー絵本では、「夜」は「闇」として不安や恐怖の対象であるとともに、「夢」ともからんで冒険や非現実的体験の訪れる時間帯でもある。
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