1.乳幼児生活調査の分析:保育園児の家庭生活時間調査資料の集計、分析をおこなった。 主な結果として、(1)朝(登園前)の家庭での生活は1時間〜1時間半であり、朝食を中心とした生活活動と短時間の遊び、(2)夜間(降園後)の家庭での生活は、平均して3時間程度であり、その間に食事、入浴と遊び、テレビ視聴、絵本読みや親と子のコミュニケーションがおこなわれている。(3)夜間、母親は家事をこなしつつ、子どもの遊び相手とコミュニケーションを心がけ、生活リズムをととのえるための就寝への誘導が負荷の大きい課題となっている。(4)保育園の「生活リズム」に関する、保護者へのメッセージの影響力、があきらかとなった。 2.夜間保育園の生活内容分析:観察対象園の3〜5歳児クラスについて、午前7:30から深夜1時にわたる保育時間帯を12場面に区分し、延べ4日間の時間抽出による全12場面の観察記録(今回は筆記記録によるフィールドノート)にもとづき、対象園の保育と子どもの生活内容・行動を保育の諸条件との関連において10項の論点(保育時間の個別ニーズ、子どもの行動特徴、3歳未満児期の保育、デイリープログラム、生活空間、遊具・教材、保育者、親子関係、課業、保育条件)について考察した。 3.乳幼児の生活時間意識の形成における児童文化財(物語・絵本)の影響を見るために、(1)「生活絵本」の分析をつうじて、乳幼児の生活様式の変化をとらえ、(2)「夜」と「眠り」をテーマとする幼児・児童用絵本の内容分析をおこなった。 4.以上の研究成果について、研究成果報告書を作成した。
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