1.保育の長時間化と乳幼児の生活構造の変化-問題の所在と本研究の目的:政府統計等により、保育所保育の長時間化の傾向を把握し、20世紀後半における保育時間にかかわる国民要求と政策の変化を論じた。また、乳幼児の生活構造に関する研究動向と研究課題を整理した。 2.保育園児の家庭生活時間調査:保育園児の家庭における朝と夜間の時間帯における生活内容を記入するための「乳幼児生活調査票」を作成し、10か園、577名の乳幼児の保護者による回答を分析した。また、子どもの生活リズムと生活内容に関する親たちの意識に関する記述を分析した。多くの母親は家庭生活の時間にゆとりがないと感じ、子どもの生活規律の形成に悩みをかかえていることが明らかにされた。 3.夜間保育所における生活と活動-K保育園の実践紹介と観察記録:午前7:30から深夜1:00までの保育時間帯における生活内容と活動12場面における子どもの行動を記述し、それぞれの場面における子どもの気分、意欲、活動、対人関係の特質を考察した。 4.児童文化財と子どもの生活感情・生活意識(1)-「生活絵本」にみる乳幼児の生活様式の変容:1940〜80年代の「生活絵本」の内容により、乳幼児の生活様式の変容を分析した。 5.児童文化財と子どもの生活感情・生活意識(2)-絵本からの夜についてのメッセージ:「夜は眠る」というメッセージを含め、「夜」の生活を描いた絵本の内容を分析した。
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