平成13年度は、全国各地の工業関係、農業関係、医療関係、衛生関係、教育・福祉関係、商業実務関係、服飾・家政関係、文化・教養関係の全8分野にわたる専門学校の経営者、および専門学校生に対して質問紙調査を実施するための準備と、予備調査をおこなった。 研究の流れとしては、(1)先行研究の分析、(2)専門学校経営者の意見と基礎的データの収集、(3)専門学校研究をおこなっている学会、研究会などへの参加である。それらを通して得られた意見などを参考にし、アンケートにおける質問項目の内容を検討し、質問紙を作成した。 まず、先行研究の分析としては、「専門学校在学者の実態と意識に関する基礎的、総合的な調査」関口義(京都文教大学)などの調査をもとに、そこでの知見と調査票の内容を分析した。 次に、調査依頼が可能な各分野の専門学校の経営者に、専門学校の経営理念の変化と具体的な対応、18歳人口の激減期にある現状に対する意識、現在の生徒の実態などについて意見を聞き、専門学校の現状把握に努めるとともに、質問紙の内容に反映できるようにした。 また、高等教育機関としての専門学校のあり方、生涯学習機会としての専門学校、専門学校の将来像などを把握するために、学会(日本教育社会学会第53回大会V-5部会)などに参加し、参加者と意見を交わした。 その他、専門学校の機能変化という部分に注目した場合、特に米国のコミュニティカレッジや英国における旧ポリテクニク大学の現状と評価の分析が非常に重要となる。そこで、英国旧ポリテクニク大学の現状を分析し、論文にするとともに、今後の日本における専門学校の機能変化についての仮説構築の基礎とした。
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