本年度は予備的調査を進めた。まず、公的部門における財務会計一般、地方財政統計および行財政改革に関する日本および米国の関連図書ないし資料を、インターネット上で提供されているものも含めて収集した。収集した英語文献資料のうち、アメリカ合衆国教育省が各州・地方教育委員会の財務会計データの記録フォーマットを標準化することを目的として作成したハンドブック「地方教育委員会および州教育委員会のための財務会計(第2版)」については、日本の教育委員会および公立学校財務にも関連すると考えられる用語・概念を選び出すとともに、とくに第3章部分を中心とした部分を日本語に翻訳して、日米比較研究のための基本枠組みづくりのための基礎作業を行った。 このほか、来年度実施する予定である、日本の公立学校向け学校財務状況調査の調査票の作成をおこなった。なお、この調査については、郵送調査だけでなく、インターネットを活用することも検討しており、そのためのウェブ・サイトの構築とそれに付随したコンピュータ技術の習得も並行して行った。 また、長野県松本市教育委員会、横浜市教育委員会等、学校の自律性確保を促すために学校配当予算のうち学校(校長)裁量で比較的自由に支出できる予算枠の拡大を実施している教育委員会から資料の提供および事業概要の説明を受けるとともに、福岡市と横浜市の学校事務職員等からは、本研究が来年度予定している調査のための予備調査を実施し、その調査事項・質問文等のレビュー受けた。
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