(1)経済のグローバリゼーションの進展が、教育や文化の分野において、どのような影響をおよぼすかについて、予測をおこない、インパクトの範囲や程度、政策的対応等について、包括的・理論的に考察した諸論文を収集し、分析する作業をおこなった。 (2)ラテンアメリカ・カリブ海地域で、2015年までの期間を措定した新規の地域共同の教育開発プログラムの策定を目的とした地域教育大臣会議(2002年11月14〜16日、キューバ・ハバナ市)にオブザーバー参加し、ラ米地域全体の教育改革の方針と動向に関する資料の収集をおこなった。 (3)基礎教育の完全普及の目標を達成するために、特に山村へき地における教育普及という困難な課題に取り組み実績をあげているメキシコの二つの事例、テレセクンダリアによる中学校教育の普及と、へき地教育事業団によるユニークな初等教育普及事業を紹介・分析する論考を執筆した。 (4)メキシコ高等教育改革の背景と課題をより明確に把握するために、現在の高等教育制度の基本的構造と大学の社会的地位が確立された1950年代における国家と国立大学との関係、大学自治制、国家財政支援方式の確立などのプロセスを分析し、論文「メキシコ国立自治大学の『黄金時代』」を執筆した。 (5)軍事政権時代の80年代から、いち早く新自由主義的な方針を掲げて大規模な教育改革-地方分権化と競争原理を導入した民営化-に取り組んできた南米チリの教育政策に着目し、関連文献を収集して分析する作業をおこなった。
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