1.共通試験データの整備 共通試験データは、過去20年間にわたりシステムの変更等によりコード定義、書式の変更や項目内容の追加・削除等がなされてきている。受験行動モデルへの適用を可能とするため、年度間で異なるコード内容等を統一・整備した。 2.受験行動モデルに関する分析プログラムの開発 出願から合否決定および次年度における出願までの一連の流れを分析するためのプログラムの一部を開発した。 3.文献・資料調査 (1)共通試験システム変更がどのような経緯で行われたかについての情報収集を行った。 (2)最近における新しい取り組み(高大連携の取り組み、AO入試、中高一貫教育等)について関連校に出向き、情報収集を行った。 4.研究によって得られた知見等 過去20数年間にわたる共通試験に関するデータを時系列的に記述することによって、共通試験システム上での変更が志願者の行動にどのような影響を与えたかを実証的に調べた。本年は、研究の一部として、志願者全体の動向だけに焦点を絞って、共通試験システム上での変更と彼らの行動との関係について検討した。その結果、共通テスト・システムの幾度かの変更にも関わらず、国公立大学志願者数は22年間安定していた。従って、1990年よりスタートしたセンター試験での志願者の増加は私立大学専願者によるもので、国公立大学志願者の出願に影響を与えるものではなかった。その他にも興味ある結果が得られた。
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