1.分析プログラムの開発 国公立大学志願者の地域間移動に関する分析のためのプログラムの開発を行った。 2.文献・資料調査(継続) 共通試験システム変更がどのような経緯で行われたかを調べ、システム変更の歴史的背景を資料等によって確認した。 3.20数年間分の共通テスト志願者データの分析 国公立大学志願者の地域間移動の実態について分析した。 4.研究によって得られた知見等 分析結果は、論文等にまとめた。主な知見としては以下のとおりである。 (1)地元志願率と地元占有率の間には高い正の相関があり、地理的にみた大学選択行動は昭和62年度と変わらないものであることが確認できた。また、地元志願率の要因分析を通して、性別では女子>男子、卒見・既卒の別では卒見>既卒の関係がそれぞれ成立していた。 (2)地域間移動は、その県における志願者の規模、大学収容数の規模によって特徴づけられていた。県内大学への影響は1大学に限られる場合が多く、その場合でも、全学的な場合があれば、一部の学部系統に限られる場合もあり、影響の形態は多様であった。 (3)平成2年度以降に新設された大学の影響について調べ。その結果、37大学のうち、県単位で影響を及ぼしたと思われ大学はわずか6大学であった。1990年から2002年にかけて新設された大学の影響は微小であった。
|