研究概要 |
平成13年度における研究実施計画は、以下の2つから成っている。 1 平成14,15年度に北海道開拓記念館および北海道内のミュージアムにおいて開催予定のアイヌ文化に関する企画展について、事前調査をするための準備(展示の構想・シナリオ作成,展示の構成・手法および企画者の意図の調査)ならびに「事前評価」を行うこと。 2 国内外の先進的なミュージアムにおける展示評価事例の収集 1については,北海道開拓記念館の(1)特別展「海を渡ったアイヌの工芸」展(2002.4.26〜6.9)および(2)テーマ展示「アイヌ文化のイメージ(仮称)」展(2003.1.11〜2.9)を、北海道大学総合博物館では(3)企画展「アイヌの音具と音楽活動(仮称)」展(2002.7.1〜8.30)を調査対象とすることで、博物館側の同意を得た。(1)については、研究分担者の出利葉・手塚が展示の構想・シナリオ作成を担当し完成した。(2),(3)は、企画担当者から構想・シナリオ案を入手した。これらをもとに展示の構成・手法および企画者の意図を佐々木が調査した。なお、今年度は「事前評価」を実際に行うことができなかった。 2については,東京都江戸東京博物館、神奈川県立地球市民かながわプラザ、静岡県立美術館、札幌芸術の森野外美術館などにおいて、展示評価に関する事例を収集するとともに、実際の展示評価調査ならびに博物館事業評価調査に参加し、現場での評価調査のノウハウを習得した。これを通して、博物館においていままで行われてきた評価手法や民間企業の評価モデルを応用した手法などを熟知することができ、博物館評価手法の類型化が可能になった。なお、海外の博物館における展示評価の事例は文献により収集した。
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