研究概要 |
平成14年度における研究実施計画は,以下の2つから成り立っている。 1 平成14,15年度に北海道開拓記念館および北海道内のミュージアムにおいて開催予定のアイヌ文化に関する企画展について,事前調査をするための準備(展示の構想・シナリオ作成,展示の構成・手法および企画者の意図の調査)ならびに「事前評価」,「事後評価」を行うこと。 2 国内の先進的なミュージアムにおける展示および事業評価事例の収集 1については,北海道開拓記念館のテーマ展「アイヌ衣服展」(2003.1.11〜2.16)において,事前調査をするための準備(展示の構想・シナリオ作成,展示の構成・手法および企画者の意図の調査)ならびに「事前評価」を実施し,さらにテーマ展開催中に「事後評価」を行った。なお,北海道大学総合博物館における企画展「アイヌの楽器(仮称)」は今年度夏季開催が延期になったため,平成15年度に各種の評価を実施する予定である。 2については,静岡県立美術館,神奈川県立地球市民かながわプラザ,札幌芸術の森野外美術館などにおいて展示および事業に関する評価事例を収集した。特に静岡県立美術館においては,実際の事業評価プロジェクトに参加し,現場での評価調査やその推進体制などについて美術館職員らとともにモデルケースの確立に努めた。(財)日本博物館協会,全国大学博物館学講座協議会東日本部会大会,静岡県博物館協会などが主催する講演会・シンポジウムにおいて静岡県立美術館での研究を最新の評価事例として発表した。これにより我が国におけるミュージアム評価の新しいスタイルを提示できたと考える。
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