研究概要 |
平成15年度における研究実施計画は,以下の2つから成り立っている。 1 北海道大学総合博物館において開催するアイヌ文化に関する企画展について「事前評価」,「事後評価」を実施 2 国内の先進的なミュージアムにおける展示および事業評価事例の収集 1については,「アイヌ民族楽器-ムックリ・トンコリ-」展(2003.6.23〜7.12)において,展示のタイトルに対する観覧者のイメージ,展示のキーワード(アイヌの楽器,音楽,ムックリ,トンコリ,塘路<地名>)からイメージするものなどを事前調査で明らかにし,その結果を準備中である展示の構成,シナリオ,展示手法,解説文などに反映させた。また,企画展開催中に「事後評価」を行い,観覧者の属性をはじめ,展示の修正箇所が結果として観覧者にとって有効だったのかなどについて調べた。 2については,静岡県立美術館において,実際の事業評価プロジェクトに参加し,現場での評価調査やその推進体制などについて美術館職員らとともにモデルケースの確立に努めた。文化経済学会<日本>研究大会,「ミュージアムの評価と改善」フォーラムなどにおいて,静岡県立美術館での研究を最新の評価事例として発表した。これにより我が国におけるミュージアム評価の新しいスタイルを定着させることができたと考える。また,金沢21世紀美術館(仮称),東京大学総合研究博物館などにおいて展示および事業に関する評価事例を収集した。
|