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2002 年度 実績報告書

近現代客家系著名人における客家アイデンティティー形成過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610352
研究機関東北大学

研究代表者

瀬川 昌久  東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00187832)

キーワード客家 / 孫中山 / 〓小平 / 陳炯明 / 系譜 / 人脈 / アイデンティティー / 中国近代史
研究概要

本年度は、昨年度に引き続き中国近代客家系著名人とされている人々についての関連資料文献の収集に努めた。孫中山(孫文)、陳炯明、〓小平について、図書館での資料収集を行った。
孫中山については、現在のところ、その生地である広東省中山県翠坑村の孫氏の系譜についてあらためて検討を行い、客家系の家系であることは確認されるものの、その後の中国革命運動において彼が積極的に「客家人脈」を活用した証拠を収集するには至っていない。〓小平については、その生地である四川省広安県協興郷の〓氏一族の系譜を再検討しつつ、その中国共産党内部での人脈、特に広西の百色地区でのソビエト政権樹立工作など初期のその活動で「客家系」人脈なるものが見いだし得るのかどうかを検証したが、彼の実際の活動の中で直接的にこうした「人脈」の存在や「客家」としての自己主張に通じる資料は見あたらないばかりか、系譜的には客家系であることに対する極めて否定的な証拠を得ている。
陳炯明についても、依然として辛亥革命ならびに彼の指揮した民国期初期の広東の軍閥の中で、彼が「客家系人脈」に連なっていたという直接的な証拠は見いだすことができない。
このような「客家系」著名人の「客家性」についての否定的な証拠を前提として、最終年度である次年度は、彼らの「客家出身の英雄」像を史実としてよりも歴史的構築物として捉え直し、そうした言説が形成されるに至る過程、および近現代を通じて客家系知識人により客家称揚の言説が形成されてゆく過程そのものを跡づけてゆく。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 瀬川 昌久: "客家語と客家のエスニックバウンダリーについての再考"塚田誠之編『中国における諸民族の移動と文化の動態』(仮題)、風響社。. (発表予定). (2003)

  • [文献書誌] 瀬川 昌久(編著): "文化のディスプレイ-東北アジア諸社会における博物館、観光、そして民族文化の再編"風響杜. 262 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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