研究課題/領域番号 |
13610353
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
柳田 賢二 東北大学, 東北アジア研究センター, 助教授 (90241562)
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研究分担者 |
鈴木 岩弓 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (50154521)
成澤 勝 東北大学, 東北アジア研究センター, 教授 (00180539)
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キーワード | 旧ソ連 / 高麗人 / 言語 / 墓制 / 国際研究者交流 / ロシア:ウズベキスタン:韓国 |
研究概要 |
13年8月中旬に代表者・両分担者と研究協力者菅野裕臣氏がウズベキスタンに出張して現地調査を行った。海外共同研究者Kim LeTchoun氏にも同行してもらう計画だったが夫人の病気により断念した。タシケント市ではウズベキスタン高麗人文化センター協会を訪問、会長V.N.Shin氏、新聞「高麗新報」編集長B.I.Kim氏、科学アカデミー歴史学研究所主任研究員V.S.Khan氏らにインタビューし、1937年の強制移住以来の高麗人の生活史についての聞き取りを行うと同時にこうした指導的立場にある人々の話すロシア語のサンプルを録音した。さらに、同市郊外の旧高麗人コルホーズ'Politotdel'を訪問、元コルホーズ指導者のM.S.Xvan氏から同コルホーズの歴史と現況について聞き取りをした。この時、成澤は北朝鮮から森林伐採労働者としてソ連に渡り、帰国せずに中央アジアに逃れた老人からも聞き取りをし、鈴木はコルホーズ付属墓地を調査し、百数十基の墳墓の詳細な写真を撮影した。次に旧'Sverdlov'コルホーズを訪問、少年時代に強制移住で極東から来た老人Choi氏に朝鮮語でインタビューして中央アジア独特の高麗人語のサンプルを得た。サマルカンド市では同地の高麗人文化センター会長A.E.Shegai氏に会い、サマルカンド州の高麗人の現状について聞き取りをした。鈴木と菅野氏は帰路韓国を訪問、国立民俗博物館他で最近の韓国人学者による研究報告等の資料を入手した。柳田はこの後ロシアのモスクワとサンクトペテルブルグを訪問し、高麗人の言語に関するO.Kimの学位論文など重要な資料を得た。14年2月には柳田が韓国に出張、国立民俗博物館や安東民俗博物館等で特に朝鮮半島東側の民俗文化や住居に関する資料を収集し、成澤は天理図書館、鈴木は東京の大宅荘一文庫および明治大学にて資料収集を行った。2月23日には菅野氏を招いて研究会を開き、鈴木が報告「ウズベキスタンにおける高麗人墓地調査から」を行って今年度得られたデータの分析で浮かんだ問題点等を発表して全員で討議その後14年度の調査方針について話し合った。
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