本年度はベネズエラにおける現地調査を重点的に行なった。以下、本年度の調査を略述する。 1.ベネズエラ現地調査(平成14年4月〜5月) ロックフェラー財団の研究資金を公募により獲得し、「人種平等のなかの人種差別:ベネズエラのマスメディアにおけるアフロ系表象排除の研究」を実施した。この研究は当科研プロジェクトの一部分を構成する。アフロ系文化運動NGOと密接に協力しつつ、ベネズエラの広告メディアをフィールド調査した。その結果は滞在中に公開フォーラムにおいて発表するとともに、平成15年5月には、論文集として刊行される予定である。 2.アンデス諸国民俗文化財保全会議(平成14年10月、於スペイン、グラナダ) ベネズエラ政府文化財保護局の推薦を受け、国際会議においてアフロ系民衆カトリシズムと文化運動のかかわりについて口頭発表した。この発表にもとづく論文は、会議のプロシーディングスとして、平成15年5月に刊行される予定である。 コロンビア現地調査に関しては内戦状況がきわめて悪化したため、実行できなかった。また、3月29日に予定していたLatin American Studies Association大会(於、米国ダラス)での発表は、イラク戦争による治安問題により、渡航を取りやめた。
|