本年度研究は前年までの科研研究「バングラデシュ・ベンガル地方の地下水砒素汚染に関する応用生態人類学的研究」の結果を受け、それを補足するための調査を引き続きバングラデシュ・ジョソール県の村落で行った。 本年度中では平成12月〜平成1月にかけてと平成14年2月〜3月の2回現地調査を行った。1回目の現地調査では、7月から先行して現地調査補助員が行っていたシャムタにおける農業センサス調査について、現地調査補助員とその後の進行計画等について協議した。この農業センサスは前年度洪水のため完了しなかったシャムタ村全世帯を対象としたもので、世帯構成員のほか、農業用及びかんがい用井戸の所有及び使用、家畜、農業用生産機械、樹木、耕作地、耕作作物、作付けサイクル、収入の項目について、それぞれの世帯で聞き取り、調査票記入を行った。 第2回調査時にはこの農業センサスは完了し、746世帯分の記録を終えた。また、シャムタ村に設置されたポンド・サンド・フィルター(PSF)の利用状況を把握するため、PSFに水汲みに来た利用者を記録するとともに、その利用世帯がどの程度の地理的な広がりを持っているかについても聞き取りを行った。また、シャムタ村との比較データ収集のため同じくジョソール県のマルア村で、村の一般的情報、本調査の可否などについての予備調査を行った。 農業センサスの調査票はベンガル語で記入されているため、あらかじめ受け取った調査票の翻訳にも着手し約半数の翻訳を終えた。 (624字)
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