研究テーマを遂行するにあたって、初年度にあたる本年度は、以下の点の調査と史料収集及び考察を試みた。 1、三后にあたる皇后・皇太后・太皇太后の活動期の年表化。 この作業は、今後のデータベースの基礎となるもので、10世紀までの三后について、コンピューターへの入力を終了した。 2、三后制に関わる研究文献を探り、研究文献データベース作りのための基本作業を行った。ただし、国文学研究者による研究文献の網羅にまではいたっておらず、次年度も、研究文献収集の作業を継続して行う。 3、三后制の画期を探るために、実験的に藤原彰子と藤原得子の二人について関係史料を収集し、検討を行った。このうち、後者の藤原得子(美福門院)については、論文「美福門院藤原得子・〓子内親王の熊野詣-鳥羽院政期の王位継承の暗闘-」(『専修大学人文科学研究所月報』198号、2002年1月)を公表し、その政治的役割の大きかったことを確認することができた。 4、京都における三后関係遺跡(邸宅跡など)の基礎的調査を行い、資料収集を行った。
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