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2001 年度 実績報告書

「日本古代村落・都市空間の形成と変遷の復元」

研究課題

研究課題/領域番号 13610411
研究機関奈良女子大学

研究代表者

舘野 和己  奈良女子大学, 文学部, 教授 (70171725)

キーワード『和名類聚聚抄』 / 『風土記』 / 木簡 / 郷(里)
研究概要

今年度は2つのことを行った。1つは古代村落の政治的現れである郷(里)という行政組織のデータベースを作成したことである。すなわち10世紀に作成された『和名類聚抄』には、国・郡の下部組織である郷が網羅されており、全国の郷名を知ることができる。また『風土記』や出土木簡などによって、主に7,8世紀における郷(里)名を多く知ることができるようになっている。両者の間には相違がない場合と、後者に見える郷(里)名が前者にはなく、郷(里)の編成が変化したことが窺える場合とがある。そこで全国的な郷(里)の状況とその変化を総覧し、今後の詳細な調査に備えるべく、Excelを使って『和名類聚抄』を基本にしつつ、他の史料によって知られた郷(里)名も含めてデータベースを作成した。ただし完成には至らず、来年度も引き続き入力を続行する。
もう一つは古代村落の故地の現地調査である。今年度は(1)島根県出雲市・松江市、(2)茨城県鹿嶋市・玉造町、(3)大分県国東町・武蔵町などで実施した。(1)は『出雲国風土記』、(2)は『常陸国風土記』が残り、文献史料から古代村落を研究する手がかりが残されている地域であり、(3)は9世紀頃の50点余の木簡が出土し、それにより大規模な米の集積・水田経営、それに木製品・金属製品製作という複合的経営が行われたことが知られ、かつ国埼津という海上交通の拠点との関連でも注目される国東町飯塚遺跡のある地である。こうした現地調査により、国東町・武蔵町を例に取ると、両町は豊後国国埼郡国前郷・武蔵郷の故地にあたるが、国前郷は田深川、武蔵郷は武蔵川流域の沖積平野を中心にして郷が成立し、その周辺の小川河流域の小平野をも包括したであろうという見通しを得ることができた。出雲でも同様な状況が窺われる。今後もこの見通しを他の地域でも確認するとともに、村落内部の状況を検討したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 舘野 和己: "木簡の表記と記紀"国語と国文学. 936号. 1-12 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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