本研究は、日本の博物館における近代の戦争関係史展示の現況を分析することを目的として、主に公立の歴史系博物館、近年開設があいついでいる平和博物館、市民有志による「平和のための戦争展」などについて調査し、あわせて歴史教科書、歴史教育に関する国際シンポジウム等の成果と比較して、国際関係認識の面から研究するものである。 本年度は、第一年度計画にもとづいて歴史教科書・歴史教育に関する日韓、日中のシンポジウム、およびドイツ、ポーランド間の歴史教科書交流に関する報告書類の収集をおこなった。ただし、報告書類の収集は一部にとどまり、予定した比較レポートをまとめるまでにはいたらなかった。 あわせて、第3回「世界平和博物館会議」を共催した立命館大学国際平和ミュージアムをはじめ、いくつかの平和博物館、歴史系博物館について事前調査をおこない、関係資料を収集した。その関連で、それぞれの開設事情、博物館としての活動姿勢、展示づくりの傾向等を比較するレポートをまとめた。 また、第2回「平和のための戦争展」経験者交流のつどい、第5回「東アジア平和と人権」国際シンポジウムに参加して、関係資料を収集した。 さらに次年度以降、各博物館の戦争関係史展示の現況調査を実施するため、歴史系分野の博物館学芸員4名に協力を要請した。
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