日本の博物館における近代の戦争関係史展示の現況と国際関係認識の課題について、平成13年度は、日中・日韓の大学や研究機関、研究者有志によって多様に展開されつつある歴史教科書、歴史教育、歴史認識に関する国際的なシンポジウムや国際交流についての報告書等の収集と、戦争関係史の博物館として著名な数館を視察し、関係資料を収集した。2年目の平成14年度は、全国の博物館等調査に着手するにあたり、新たに当館の三浦泰之を研究分担者にくわえ、大阪人権博物館の朝治武氏、立命館大学国際平和ミュージアムの山辺昌彦氏、仙台市歴史民俗資料館の佐藤雅也氏に、3年度にわたる研究協力を依頼した。6月15〜16日、研究代表者・分担者・協力者5名による第一回調査会議を立命館大学国際平和ミュージアムにおいて開催し、平成14年度のアンケート調査、15〜16年度の本調査、成果のとりまとめ、分担執筆等について代表者案を発表し、実施方法について協議検討した。その結果にもとづいて、全国の戦争関係史資料を展示する主な施設として、国立・都道府県立・市町村立の歴史系博物館を中心に、平和博物館、靖国神杜・護国神社の資料館、自衛隊駐屯地の資料館等220館についてアンケート調査を実施した。その結果、114館から回答があり、このうち該当館75館について回答概況を集約した。なお、本調査の方針・計画を検討する第一回調査会議の基礎データとするため、回答結果についてはさらに分析を必要としている。 このほか、本研究が計画する世界平和博物館会議、および日韓、日中、東アジア、環太平洋の諸国・地域間における歴史教育・教科書、歴史認識等に関する国際シンポ、国際交流については、関連資料の収集を継続している段階であり、いまだ報告をまとめる状況に至っていない。
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