• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2001 年度 実績報告書

日本における戒律伝播の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610413
研究機関(財)元興寺文化財研究所

研究代表者

稲城 信子  (財)元興寺文化財研究所, 人文科学研究室, 研究員 (50106712)

研究分担者 佐伯 俊源  種智院大学, 仏教福祉学科, 専任講師 (30309067)
キーワード戒律 / 三僧坊 / 典籍 / 神鳳寺 / 西明寺 / 野中寺 / 東大寺戒壇院 / 西大寺
研究概要

本研究のテーマとなる戒律伝播の歴史は、三期に大別される。第一期は律宗の祖師とされる鑑真(683〜763)の時代であり、第二期は、唐招提寺・覚盛(1194〜1249)、東大寺・凝然(1240〜1321)、西大寺・叡尊(1201〜1290)などの南都を中心とした南京律と泉涌寺・俊〓(1166〜1227)の北京律などの鎌倉期である。そして第三期は西明寺・明忍(1576〜1610)、如法真言律を提唱した浄厳(1639〜1701)、正法律の開祖とされる野中寺・慈雲(1718〜1804)をはじめ律学の研究をした八事山諦忍(1705〜1786)などの多くの律学研究僧を輩出した江戸期である。本研究の対象となるのは、第二期と第三期に書写・刊行された戒律関係文書典籍の収集・調査である。
本年度は、東大寺図書館に架蔵されている多くの文書典籍類の中から、戒律関係資料を調査した。その結果、520点の調査並びに写真撮影を行なった。その内容は、『四分律』『四分律行事鈔』『四分律行事鈔資持記』等の南宋版・平安末期書写の律の基礎聖教が含まれている。書写された場所も東大寺戒壇院のほか、西大寺・般若寺・法華寺・唐招提寺・泉涌寺等の寺院名がみられ、それらに関係する律僧が書写している。東大寺の中で、戒壇院を拠点として、律関係の寺院間の交流が盛んであったことは、多くの聖教が残されていることで明らかとなった。第三期の江戸期における中心的役割を果した三僧坊(神鳳寺・西明寺・野中寺)で所蔵される文書典籍類の調査にも着手した。本年度はこの三僧坊の内、大鳥派神鳳寺で所蔵されていた文書典籍類の調査を行なった。現在、神鳳寺で所蔵されていた文書典籍類は、3500点にも及んでいる。その資料の一部分の調査・写真撮影を行ない、次年度にも継続する。さらに、野中寺・西明寺の調査も着手する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 稲城 信子: "中世律宗における聖教の伝授-西大寺所蔵聖教類の奥書から"戒律文化. 1. 1-19 (2002)

  • [文献書誌] 稲城 信子: "『興正菩薩講式』の構成と成立"元興寺文化財研究所研究報告. 1. 121-131 (2001)

URL: 

公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi