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2004 年度 実績報告書

刻文史料よりみたデリー・サルタナット期北インドの在地社会

研究課題

研究課題/領域番号 13610418
研究機関名古屋大学

研究代表者

三田 昌彦  名古屋大学, 文学研究科, 助手 (30262827)

キーワードインド / 中世史 / 石刻 / ラージャスターン / グジャラート / イスラーム / 史料学 / 都市
研究概要

今年度は最終年度であるため,前年度からの継続作業と成果報告書の作成がその主な作業であった。
まず前年度からの継続作業として,12月から1月にかけてラージャスターン州に入り,昨年まわれなかった地域を中心に,主にヒンドゥー寺院・ジャイナ寺院の刻文を撮影した。昨年に比べ未刊行刻文はあまり撮影できなかったが,既刊刻文の写真でも,刊行されている刻文テキストの改訂において極めて重要な意義を持つ。
また,13〜15世紀ラージャスターン・グジャラートの刻文のテキストを,インドなど世界各地で刊行されているインド学関係の学術雑誌や刻文集から収集し,これまで現地で収集した刻文写真とつきあわせながらこれらの刊行テキストを改訂し,訳出・解題を進めた。
昨年度から継続して,当該期ラージャスターン・グジャラートの地方都市の行政組織と社会団体(町の集会組織やカースト)に関する論考の準備を進めた。当該期のムスリム政権は一般に土着の在地社会組織を通してインドの統治を行ったとされているが,その在地社会組織の第一級の史料が各地に残されているサンスクリットや地方語による刻文であり,その基礎的な分析を行った。その結果,13世紀から14世紀にかけて,ラージャスターン・グジャラートではパンチャクラと称される行政組織が広範に存在したことが判明した。この組織はペルシア語史料には見られず,当該地域におけるムスリム支配のあり方を問う上でも極めて重要な事実である。
4年間の調査結果である成果報告書の構成は以下の通り。この成果報告書は,当該期の在地社会研究の基礎となると思われる。
1)当該期インド系諸語刻文史料の歴史研究上の意義
2)13〜15世紀ラージャスターン・グジャラートにおけるインド系諸語の全刻文のリスト
3)時代別・地域別の代表的あるいは重要な刻文のテキスト・邦訳・解題
4)当該期ラージャスターン・グジャラートの在地社会に関する論考

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2005

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ラージプート起源伝承2005

    • 著者名/発表者名
      三田昌彦
    • 雑誌名

      歴史学事典 第12巻 王と国家(黒田日出男編,弘文堂)

      ページ: 671-672

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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