主な活動として次のような要領で米国公民権運動に関する米国での研究活動を実施した。全日程は8月11日(出国)〜9月8日(帰国)の4週間であった。滞在先は8月11日〜17日がカリフォルニア州パルアルト、8月17日〜20日がオハイオ州シンシナティ、8月20日〜27日がアーカンソー州リトルロック、8月27日〜9月3日がシカゴ、9月3日〜6日がウィスコンシン州マディソンで、9月7日にシカゴより帰国の途についた。スタンフォード大学ではマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師の史料を編纂中のクレイボーン・カーソン教授の協力をいただき、編集中の収集文書の閲覧を特別に許可された。シンシナティでは、ノーザン・ケンタッキー大学のマイケル・ワシントン教授の協力で、65年以来同市に在住する、バーミングハム闘争指導者フレッド・シャトルズワース牧師へのインタビューを行った。リトルロックでは、アーカンソー大学図書館文書館で50年代末の「リトルロック学校危機」の史料を収集し、主に次のような事件当事者とのインタビューを行った:ジェリー・ドナウ氏(元『アーカンソー・ガゼット』記者)、ロン・ヒューズ氏(元セントラル高校生徒)、エリザベス・エックフォード氏(セントラル高校にはじめて入学した黒人生徒の1人)、ミニージーン・ブラウン・トリッキー氏(同)、ジョン・ウォーカー氏(同市学区の陶業教育を求める裁判の弁護人)、ナンシー・ルッソー氏(現セントラル高校校長)。シカゴではシカゴ歴史協会で文書収集に当たるとともに、州上院議員バラク・オバマ氏らにインタビューし、サウスサイドの運動組織「プッシュ」やシカゴ都市同盟を訪問して指導者に質問した。マディソンではウィスコンシン歴史協会が所蔵する一次史料のコレクションを閲覧した。なお国内の研究会で事前(立命館大学サマーセミナー)・事後(アメリカ教育史研究会)に口頭での研究報告を行った。
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