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2004 年度 実績報告書

集落・墓地・土器・祭祀から見た弥生時代社会の変容過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 13610470
研究機関九州大学

研究代表者

岩永 省三  九州大学, 総合研究博物館, 教授 (40150065)

キーワード弥生時代 / 集団祭祀 / 青銅武器形祭器 / 埋納 / 儀礼的贈与 / 財の浪費 / 統合化
研究概要

1、本年度には主として祭祀関係の資料を収集した。各地の遺跡の報告書から、本研究の目的に必要な情報を網羅的に収集した。特に研究上重要な資料については、所蔵・保管先に直接出向いて、実測図作成・写真撮影などの手段で記録化した。そこで祭祀の具体的様相を研究対象とする諸学、すなわち文化人類学・民族学・宗教学などにおける研究の成果を、事例研究は当然として、特に方法論のレベルで勉強・摂取するために、基礎的文献・論文等を日本語・外国語を問わず広く複写集成して学習した。平成13〜15年度に行った作業の補足を行った。各年度に行った分析作業を総合し、研究成果を論文の形に纏めた。
2、本年度収集した資料に基づいて、地域ごとの集団祭祀の動向とそこに反映された人間集団の価値体系の変容、および祭祀圏の空間的関係とその時間的変化から復元できる祭祀の伝播現象に反映された集団間関係の変動などを明らかにした。それらを過去3ヵ年明らかにしてきた集落・墓地・土器様式の構造に反映される人間集団の編成原理とその変動と総合することによって、当該期の社会全体の構造変化や集団間の政治的・文化的関係の変化相の一端を明らかにした。とくに弥生時代中期後半から後期にかけて、社会の変化とりわけ階層化と地域的統合と信仰形態の変化が連動して生じた地域について、相互の因果的連関を解明した。たとえば、福岡平野を中心とする北部九州では、中期前半における人口増大が分村と再統合による集団再編を惹起し、あらたな統合化祭祀が必要となったことが、青銅祭器による集団祭祀開始の原因である。後期の須玖丘陵における銅矛・銅戈祭祀の隆盛は、様々な原因による多氏族の須玖丘陵への集住が引き起こした、集団間の緊張と軋礫が統合化儀礼の盛大化を必要としたからである。こうした分析を地域ごとに行った。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2004

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] 武器形青銅器祭祀の展開と終焉2004

    • 著者名/発表者名
      岩永省三
    • 雑誌名

      國學院大學21COE考古学・神道シンポジウム予稿集 日本列島における青銅器祭祀

      ページ: 1-12

  • [雑誌論文] 考古学から見た青銅器の科学分析2004

    • 著者名/発表者名
      岩永省三
    • 雑誌名

      科学が解き明かす古代の歴史

      ページ: 110-119

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公開日: 2006-07-12   更新日: 2016-04-21  

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