研究概要 |
1,この「研究」は、次のような形にまとめることができる。その概要をあげる。 (1)日本語の助数詞の意義、研究の目標、研究の構想等について考察した。特に、孤立語である中国語における量詞が、なぜ、膠着語とされる日本語に流入し、流布することになったかという点について考察した。 (2)その研究資料、また資料調査の方法について考察した。 (3)上代木簡資料(飛鳥・藤原京関係木簡、平城宮関係木簡、また、長岡京木簡、その他、各地方出土木簡など)における助数詞を収集し、各個に解説した。 (4)「正倉院文書」(大日本古文書、第1巻〜第25巻)における「助数詞」(類別詞・量詞)の総体的・全体的な把握ができるように、詳細な調査を行い、リストを作成した。 (5)「正倉院文書」の助数詞の「対象別」に、個別的な分析・検討を加えた。例:衣服類、履物類、穀類・蔬菜類・果物類、海藻類、塩、建物類、筆、墨、机類、屏風類、仏像類、数珠類、幡類、船舶・槽類など。 (6)「正倉院文書」の主要な「助数詞」につき、個別的な分析・検討を加えた。例:了、懸、藁、方、根、籠、隻、双、面、顆、果など。 (7)「正倉院文書」の助数詞の「重層性」について分析した。 (8)「養老律令」における助数詞と「唐令」におけるそれとを対照し、八世紀の日本語における助数詞の実態について分析した。 2,上記のような成果(実績)の詳細は、「研究成果公開促進費」の下付を仰ぎ、公開・刊行する予定である。
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