研究課題/領域番号 |
13610495
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研究機関 | 大阪国際大学短期大学部 |
研究代表者 |
村田 菜穂子 大阪国際大学短期大学部, 家政科, 講師 (60280062)
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研究分担者 |
岩田 俊彦 大阪国際大学短期大学部, 国際文化学科, 教授 (60290318)
柴山 守 大阪市立大学, 学術情報総合センター, 教授 (10162645)
蜂矢 真郷 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20156350)
前川 武 大阪国際大学短期大学部, 国際文化学科, 助教授 (30238844)
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キーワード | 形容詞 / 語構成 / 逆引き対照語彙表 / 語構造分析 / 数量的分析 |
研究概要 |
平成14年度は、上代資料・八代集・中古散文作品から採取した古代語形容詞の単位基準策定作業(第二期)ならびに見出し語の補整を行い、「古代語形容詞の語構成」を分析した一覧表(前年度研究成果)の精度を高めるとともに、各資料における見出し語の用例数の点検作業を行った。そして、本資料の利用価値を拡張するために、「古代語形容詞逆引き対照語彙表」を作成する一方、本資料の有効性を確認すべく、多方面から本資料に基づく語構造分析ならびに数量的分析を行った。 (1)見出し語を語末から配列した「逆引き対照語彙表」は、派生語や複合語をも含めた一群の史的展開が容易に把握し得るという資料的価値があるだけでなく、既発表の「古代語形容詞の語構成」と併用することによって、各見出し語の詳細な語構造分析結果が総合的に把握し得るものであり、両資料が語彙および語彙史研究分野における基礎資料となることを期待される。 (2)「古代語形容詞の語構成」一覧表を用いて分析を行った結果、次のような点が明らかになった。 (1)語構造分析の結果、古代語形容詞の語構造は大きく二つの系列に分けることができ、1語基+接辞乃至はこれを含む構造にある系列の形容詞は、より大きな単位数の語を構成する力に富むものであるのに対して、II(語基+語基)+接辞乃至はこれを含む構造にある系列の形容詞は、より大きな単位数の語を構成する力に乏しい自己完結的なものである。 (2)構成単位数別に語構造論的分析ならびに数量的分析を行った結果、中古散文作品で使用された形容詞において長単位化・多様化が最も進んでいる実態が認められた。 (3)古代語形容詞には、第一次形容詞、さらに第一次形容詞に別の要素が付加した第二次形容詞、そして第二次形容詞にまた別の要素が付加した第三次形容詞が存在し、上代形容詞ではク活用・シク活用ともに第一次形容詞が優勢であったが、中古新出のク活用形容詞では圧倒的に第二次形容詞が優勢になっていることが判明した。
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